今回の事例は、銀行対策と経営セーフティ共済によって、連鎖倒産を免れた企業のご紹介です。
この企業は、大口取引先(上場企業)の倒産を2回も受けながら、連鎖倒産を免れた中小企業です。
大口取引先が倒産した場合、その倒産先からの売り上げが入ってこなくなる訳ですから、資金繰りに重大な影響を及ぼします。
この中小企業が、連鎖倒産を免れたのは、経営セーフティ共済から無担保・無保証人・無利子で貸付が受けられたことが一番の要因です。
経営セーフティ共済の制度の概要はこちら → http://www.smrj.go.jp/tkyosai/000771.html
しかし、これだけで、資金繰りが安定する訳ではありません。
この中小企業の経営者は、しっかりと銀行対策を行っていました。
銀行対策を行うことで、銀行から継続して借り入れをできたので、その後の資金繰りの目途も立てられたのです。
この中小企業の経営者は、事業計画・資金繰り表・受注管理表を作成して、毎月のように取引銀行の担当者へ説明をしていました。
最初の大口取引先の倒産後は、資金繰りは繁忙でした。
取引銀行から短期借り入れを繰り返して、決済しては借り入れるという状況でしたが、地道に信用を積み上げていったのです。
経営計画が100%達成できた訳ではありませんでしたが、資金繰り表は、しっかりと作り、ほとんどズレがありません。
そのうちに、資金繰りも安定してきて、最初の大口取引先の倒産の影響が薄れてきた頃に、また、大口取引先が倒産したのです。
この時も、まずは経営セーフティ共済からの無担保・無保証人・無利子での貸付を受け、大口取引先倒産による資金不足をカバーしました。
そして、経営セーフティ共済からの借り入れ後の資金繰り表を作成して、直ぐに取引銀行に説明をすることによって、変わらずに銀行融資を受けられたのです。
これは、1回目の倒産から2回目の倒産を受けるまでに作り上げた取引銀行との信頼関係が物を言いました。
また、1回目の大口取引先倒産の反省を踏まえて、1社当りの受注額を抑えて取引先分散を図っていたので、2回目の大口取引先倒産の影響を最小限に抑えられたのです。
もう一つ、この中小企業にとって良かったのは、取引銀行が、その企業の規模に見合った銀行だったので、担当者がしっかりと付いており、親身に話を聞いてくれたことでした。
それこそ、取引銀行の担当者から支店長まで、顔と名前が一致して、親密な関係を築き上げられていたのです。
これが会社規模に見合った取引銀行でなかったら、どうなっていたことでしょう?
だから、銀行対策が必要なのです。
最後に今回の事例でのポイントをまとめてみます。
1.不測の事態に対して、備えがありますか?無ければ、どうすればカバーできるか、常日頃から考えておきましょう。
3.取引銀行は、企業規模に見合っていますか?メイン銀行の担当者から支店長まで、顔と名前が一致するような関係が築けていますか?
もし、この事例を読んで、不安に思われた中小企業の経営者の方は、お気軽に、お問い合わせください。
その他の事例紹介やお客様の声は、こちら。