銀行借入によって資金調達をした時に、銀行借入金利を変動金利で融資契約をしたものの、その後固定金利にする方法のご紹介です。
なお、住宅ローンについての借入金利の変更でお悩みの方は、こちらをご覧ください。
*サイトでご紹介している基礎知識について、冊子でお読みになりたいとのご要望が多く寄せられておりますので、冊子といたしました。PDF版は無料、印刷版は1,000円(税別)となっておりますので、ご希望の方は、こちらからご注文ください。
a.融資条件の変更
銀行融資の条件を変更することは、資金調達(銀行借入)をした企業と銀行が合意すれば、原則として可能です。
これを、条件変更と言います。
しかし、現実的には、なかなか銀行は条件変更に応じてくれるものではありません。
特に、今適用されている銀行借入金利である変動金利を下回る固定金利への変更は、まず応じてもらえないでしょう。
可能性としては、今適用されている銀行借入金利である変動金利を上回る固定金利で、資金調達(銀行借入)をした企業が応じる場合に出来るくらいです。
融資条件を変更する場合は、多くの銀行では「条件変更手数料」を請求しますので、銀行借入金利を変更した場合の金利負担と合わせて、検討しましょう。
b.金利キャップの購入
銀行借入金利を変動金利から固定金利に変更するのと同じ様な効果を得られるものに、金利キャップの購入があります。
金利キャップの購入は、実質的に銀行借入金利の上昇リスクを回避しながら、変動金利の金利下降時のメリットも享受できるものです。
<事例>
銀行借入金利:基準金利+1.5%の変動金利
金利キャップ:現在の基準金利+0.5%以上になった場合に、差額分を受け取り
現在の基準金利:1%
基準金利が3%になった場合:基準金利3%+1.5%=4.5%の金利支払・・・①
基準金利3%−1.5%(=金利キャップ購入時の基準金利1%+0.5%)=1.5%の金利受け取り・・・②
① − ② = 3.0%
基準金利が4%になっても5%になっても、①−②=3.0%となりますので、金利上昇リスクを回避できるのです。
実際は、金利キャップ購入費用が必要であり、基準金利の上昇が当初予測を下回る場合は、金利キャップ購入費用分が負担増加となります。
また、銀行借入金額や基準金利にマッチングした金利キャップを、資金調達(銀行借入)をした銀行が販売していない場合もあります。
まずは、資金調達(銀行借入)をした銀行に相談して、その銀行で目当ての金利キャップを販売していない場合は、他の銀行に相談してみましょう。
金利キャップは、単独での購入が可能です。
c.金利スワップの購入
金利スワップとは、固定金利と変動金利を交換する取引です。
変動金利を受け取り、固定金利を支払うことで、実質的に変動金利が固定金利へ変更されたのと同じ効果が得られます。
契約時点で金利は固定化されますが、金利が予測していたほど上昇しなかった場合は、コスト増となる場合があります。
また、銀行借入金額や基準金利にマッチングした金利スワップを、資金調達(銀行借入)をした銀行が販売していない場合もあります。
まずは、資金調達(銀行借入)をした銀行に相談して、その銀行で目当ての金利スワップを販売していない場合は、他の銀行に相談してみましょう。
金利スワップは、単独での購入が可能です。
d.新たに固定金利で資金調達(銀行借入)を行い、変動金利の借入を返済する
新たに固定金利で資金調達(銀行借入)を行い、変動金利の借入を返済する手法です。
原則として、同じ銀行でこの手法を行うことは難しいと考えてください。
例外的なものに、信用保証協会の「資金繰り円滑化借換保証制度」がありますので、お取引銀行に確認するか、信用保証協会にお問い合わせください。
(弊社でもご相談を承りますので、お気軽にこちらからお問い合わせください)
この手法としては、他の銀行で固定金利の資金調達(銀行借入)を行い、変動金利の借入を返済するという「他行肩代わり」がポピュラーですが、返済をする銀行との関係は険悪なものになりますので、それなりの覚悟が必要です。
なお、繰上返済をする場合は、繰上返済手数料などが請求される場合がありますので、金銭消費貸借契約証書などで確認しておく必要があります。
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